わが国最西端に位置する与那国島と台湾との距離は100kmあまりと非常に近く、視界の良い時には与那国島から台湾の陸岸が見えることもあります。与那国島と台湾の間の海域では、中国海軍艦艇の航行がたびたび確認されており、昨年8月には、中国が9発の弾道ミサイルを発射し、うち1発が、与那国島から約80kmの地点に着弾し、地域住民に脅威と受け止められました。このような国境の最前線にある与那国駐屯地は、南西地域の防衛上極めて重要な拠点の一つです。この駐屯地には、陸自沿岸監視隊や空自第53警戒隊分遣班が所在しており、わが国の国境の最前線に最も近い場所において、付近を航行・飛行する艦艇や航空機を監視し、各種兆候を早期に察知する極めて重要な役割を果たしています。また、2023年度には小規模の電子戦部隊を配備する予定であり、南西諸島における防衛体制を目に見える形で強化していきます。
与那国島を訪問する浜田防衛大臣