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第IV部 共通基盤などの強化

第5節 政策立案機能の強化

防衛戦略では、自衛隊が能力を十分に発揮し、厳しい戦略環境に対応するためには、宇宙・サイバー・電磁波の領域を含め、戦略的・機動的な防衛政策の企画立案が必要とされており、その機能を抜本的に強化していくとしている。また、関係省庁や民間の研究機関、防衛産業を中心とした企業との連携を強化するとともに、防衛研究所を中心とする防衛省・自衛隊の研究体制を見直し・強化し、知的基盤としての機能を強化することとしている。

1 政策立案機能の強化に向けた取組

防衛戦略を踏まえ、戦略的・機動的な防衛政策の企画立案を行う機能を抜本的に強化する必要があることから、有識者から政策的な助言を得るための会議体を設置することとしている。

また、自衛隊の将来の戦い方とそのために必要な先端技術の活用・育成・装備化について、関係省庁や民間の研究機関、防衛産業を中核とした企業との連携を強化しつつ、戦略的な観点から総合的に検討・推進する態勢を強化することとしている。

これに加え、防衛省の研究・教育機関においては、平素から研究の質をより高め、その成果をわが国の政策立案への反映に取り組んでいる。そうした研究成果を含め、わが国の安全保障政策に関する知識や情報について、国民の理解をより一層増進することが重要になっている。このため、防衛省・自衛隊の防衛研究所や各種学校などにおいては、

  1. ① 国内外の研究・教育機関や大学、シンクタンクなどとのネットワーク及び組織的な連携を通じた、防衛省・自衛隊の研究体制の強化
  2. ② 高度な専門知識と研究力に裏付けされた質の高い研究成果の政策立案部門などへの提供
  3. ③ 前述の研究成果などを基にした信頼性の高い情報発信
  4. ④ 教育機関などへの講師派遣や公開シンポジウムの開催などを通じた、安全保障教育の推進への寄与

など、知的基盤の強化に関する各種取組を進めている。