航空機は防衛分野と民生分野で共通する技術基盤が多く、民生分野の活性化に資する施策を講じることが、わが国の航空機の産業基盤の維持・活性化、防衛産業基盤の維持・強化につながるという観点から、防衛省では、防衛省が開発した航空機の民間転用について検討を進めてきた。
これまで民間転用の制度設計に向けた指針をまとめ、民間転用を希望する企業の申請に関する制度を整備し、P-1哨戒機のF7-10エンジンやUS-2救難飛行艇の民間転用に向けた技術資料など、企業の申請を受けて開示してきた。また、F7-10エンジンについては、2016年に、防衛装備庁と製造会社である株式会社IHIとの間で、JAXAへの販売に向けた民間転用契約を初めて締結し、2019年にJAXAへ納入された。
防衛装備移転三原則の策定後、航空機以外の装備品も諸外国政府から引き合いがあることなどを踏まえ、その呼称を民間転用から部外転用に改め、2018年に手続規則の整備を行った。2019年にSH-60K(能力向上型)用自動操縦装置用飛行制御装置処理部及びSH-60K用着艦誘導支援装置の部外転用に向けた技術資料などを企業の申請を受けて開示した。