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第II部 わが国の安全保障・防衛政策

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第4章 防衛力整備計画など

第1節 防衛力整備計画の内容

本節では防衛力整備計画(整備計画)の策定の趣旨や内容について記載する。整備計画の内容は、既に防衛省HPで公表されていることから、本節では、整備計画における要点を中心に、その背景や考え方などを記載する。なお、策定の経緯については、第II部第1章第3節(わが国の安全保障政策の体系)を参照。

1 防衛力整備計画の意義

国の防衛は国家存立の基盤であるが、必要となる防衛力を整備していくには時間を要することを忘れてはならない。防衛力整備は、最終的には各年度の予算に従い行われるが、例えば、F-35A戦闘機は、契約を行ってから空自の部隊に納入されるまでに5年を要する。また、防衛力として効果的に活用するためには、機体の購入だけでなく、格納庫などの施設整備、操縦者や整備員など隊員の教育、部隊の練成なども必要であり、それらは短期になしえない。また、次期戦闘機のように新たな装備品を研究開発するにも長い時間を要する。そのため、防衛力整備は、具体的な見通しに立って、継続的かつ計画的に行うことが必要である。

このため、51大綱策定以降、防衛庁(当時)は、大綱に基づき各年度の防衛力整備を進めるにあたっての主要事業をまとめた防衛庁限りの見積りとして、「中期業務見積り」を1978年及び1981年に作成した1。その後、政府の責任において中期的な防衛力整備の方向を内容と経費面の両面にわたって示す観点から、政府は、1986年度以降、5年間を対象期間とする中期的な防衛力整備計画(中期防衛力整備計画)を策定し、これに基づき、各年度の防衛力整備を行っている。

今般策定した整備計画は、防衛戦略のもとにおける初めての整備計画であり、防衛戦略に定める多次元統合防衛力の抜本的強化に向け、防衛力の水準やそれに基づく5か年の経費総額や主要装備品の整備数量などを定めた整備計画となっている。

1 いわゆる53中業と56中業である。