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<VOICE>JAXA派遣要員としての活動について

宇宙航空研究開発機構(JAXA)
筑波宇宙センター追跡ネットワーク技術センター
航空幕僚監部 防衛部防衛課
3等空佐 齋藤 拓也(さいとう たくや)

「航空宇宙自衛隊への進化も、もはや夢物語ではありません。」19(令和元)年9月、防衛省市ヶ谷基地において安倍内閣総理大臣が発言されました。

私は、JAXA筑波宇宙センターにおいて航空自衛官として勤務しています。もっとも大先輩である元航空自衛官の油井宇宙飛行士のような宇宙飛行士を目指してJAXAで勤務しているわけではありません。

地球を周回するスペースデブリと呼ばれる不要な人工物体は、ソフトボールサイズ以上のものでも約2万個弱あると言われています。我々の生活に密接に関係する測位・通信・放送・気象などの人工衛星がスペースデブリと衝突しないようにするためにも、宇宙で「今、何が起こっているのか」を把握する能力(SSA:Space Situational Awareness)が必要になります。

現在防衛省は、宇宙などの新たな領域における能力の獲得・強化に取り組んでおり、航空自衛隊は、JAXAと連携したSSA運用体制の構築に向けて整備を進めております。私は、そのような運用体制を実現すべく、JAXAにおいてSSAにかかる専門的知見を学びつつ、防衛省とJAXAとのデータ共有や具体的な連携要領にかかる調整などを行っています。

航空自衛隊では、宇宙領域を専門とする職種も新設され、宇宙にかかる人材の育成・確保も必須になっていきます。本記事を読み、我こそはと心を熱くされた方は、私と一緒に宇宙人へと進化してみませんか?「ワレワレハ、コウクウウチュウジンダ!」

JAXA職員との会議でSSAシステムの教育を受ける著者(右から2人目)

JAXA職員との会議でSSAシステムの教育を受ける著者(右から2人目)