第III部　わが国防衛の三つの柱（防衛の目標を達成するための手段）

➍　国内外に向けた情報の発信・共有に向けた取組

防衛省・自衛隊は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、「自衛隊式」感染防止対策を公開⁴するとともに、各国の防衛当局に対し、大使館などを通じて、新型コロナウイルス感染症に対する自衛隊の活動、「ダイヤモンド・プリンセス号」における活動中、隊員に感染者が出なかった要因及び自衛隊中央病院における症例分析の概要などについてとりまとめた資料を共有した。

さらに、河野防衛大臣は4月以降、米国、オーストラリア、インド、フィリピンなどの東南アジア諸国、英国、フランスなどの欧州諸国、カナダ、ニュージーランドといった15か国⁵と防衛相電話会談を実施し、新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大している現状を踏まえ、防衛当局の役割などについて意見交換を行った。特に日米防衛相電話会談については、4月から5月にかけて2度実施し、ともに新型コロナウイルスとの闘いに打ち勝つために連携・協力していくことに加えて、このような中でも日米の緊密な連携及び対処能力の維持を図っていくことなどを確認した。このほか、各国との電話会談では、主に防衛当局として感染症対策を行う中で得られた情報・教訓・知見を共有していくことで一致するとともに、防衛当局の役割などの観点から、現状を踏まえた脅威認識や感染症の拡大が各国の防衛政策に与え得る影響に関する認識を共有していくことの必要性を確認し、また、防衛当局間のコミュニケーションを継続するとともに、「自由で開かれたインド太平洋」の維持・強化に向け、防衛協力・交流を引き続き強力に推進していくことで一致した。

新型コロナウイルスの感染が拡大する状況だからこそ、諸外国との間で意思疎通を積極的に行うことは重要である。また、新型コロナウイルス感染症終息後の国際秩序のあり方には高い関心を払う必要があり、これまでの世界の平和と繁栄を支えてきた自由で開かれた国際秩序が揺らぐことのないよう、価値や利益を共有する諸外国との間で、一層の連携が必要であると考えている。

• 前の項目に戻る
• 次の項目に進む

ページトップへ戻る