ダイジェスト
22大綱見直しの検討状況
- わが国周辺の安全保障環境は一層厳しさを増しており、2013(平成25)年1月25日、政府として22大綱を見直し、年内に結論を得る旨を閣議決定。
- 防衛省においては、「防衛力の在り方検討のための委員会」の設置を決定。江渡防衛副大臣のもと、同委員会において、国際情勢、防衛力の役割と能力評価、自衛隊の運用の現状と課題などについて議論。
- 弾道ミサイルの脅威に対する実効的な抑止・対処能力や、輸送力・機動力を含む実効的に島嶼を防衛し得る能力など、各種事態への対応に求められる機能について、国会などにおける議論をも踏まえ精力的に検討を行っている。
- コラム:「あるべき防衛力の機能を巡る議論について」
平成25年度の防衛力整備
- 22大綱の見直しなどにあわせ、平成25年度の防衛予算の編成に当り準拠となる方針が閣議決定。
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周辺海域での情報収集・警戒監視・安全確保を実施する態勢の強化を図るため、新型護衛艦などを取得・建造。
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南西諸島を含む領空の警戒監視・防空能力の向上のため早期警戒管制機(E-767)の能力向上や固定式警戒管制レーダーの換装などを実施。
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南西諸島をはじめとする島嶼を含む領土の防衛態勢の充実のため、装輪装甲車などの取得や水陸両用車の参考品購入を実施。
防衛関係費〈11年ぶりの増額〉
- 平成25年度においては、一層厳しさを増す安全保障環境を踏まえ、国民の生命・財産とわが国の領土・領海・領空を守る態勢を強化するため、平成15年度から減少を続けていた防衛関係費を実質11年ぶりに増額。
グローバル・コモンズの安定的利用など〈宇宙、サイバー、海洋〉
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近年では、宇宙、サイバー空間、海洋といった国際公共財(グローバル・コモンズ)の安定的利用に対するリスクが新たな安全保障上の課題となってきている。防衛省としても、政府全体の取組に積極的に協力。
日米安全保障体制
日米安全保障体制の意義
- 日米安保条約に基づく日米安保体制は、わが国防衛の柱の一つである。
- 日米安保体制を中核とする日米同盟は、わが国のみならずアジア太平洋地域の平和と安定のために不可欠なものである。
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わが国に駐留する米軍のプレゼンスは、わが国の防衛に寄与するのみならず、アジア太平洋における不測の事態に対する抑止力および対処力として機能しており、日米安保体制の中核的要素を持っている。
日米共同訓練
- 自衛隊と米軍は、平素より様々な共同訓練を実施してきている。
- 相互の能力や戦術についての理解を深め、日米共同対処能力の維持・向上、日米それぞれの戦術技量の向上を図る上でも有益である。
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効果的な時期、場所、規模で共同訓練を実施することは、日米間での一致した意思や能力を示すことにもなり、抑止の機能を果たすことになる。
MV-22オスプレイの沖縄配備
- 米海兵隊のMV-22は、これまでのCH-46に比べ速度は2倍、搭載能力は3倍、行動半径は4倍という優れた性能を有する。
- 同機の沖縄配備により、在日米軍全体の抑止力が強化され、この地域の平和と安定に大きく寄与する。
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MV-22の日本における運用について、安全性は十分に確認されたものと考え、2012(平成24)年9月に「MV-22オスプレイの沖縄配備について」を公表し、わが国における飛行運用が開始された。
日米防衛協力の強化に向けた取組
- コラム:「日米首脳会談」(2013(平成25)年2月)
- 安倍内閣総理大臣より、わが国自身の防衛力の強化、集団的自衛権についての検討を開始し、同盟強化に役立つものにしていく考えを説明した。さらに日米安保体制の抑止力向上のため、幅広い分野で協力を進め、ガイドラインの見直しの検討を進めたい旨述べた。
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オバマ米大統領は、日米同盟は太平洋国家としての米国にとってもきわめて重要とし、同盟強化に向けた日本の取組を歓迎した。
日米防衛相会談
- 2013(平成25)年4月、小野寺防衛大臣がヘーゲル米国防長官と会談し、日米の協力関係を新たな段階に高めていく重要性について一致した。
- 小野寺防衛大臣より、北朝鮮情勢について日米および日米韓で緊密に連携していくこと、尖閣諸島について、断固として領土・領海・領空を守り抜く覚悟である旨説明した。
- ヘーゲル米国防長官からは、尖閣諸島に日米安保条約第5条が適用されること、同諸島をめぐる現状の変更を試みるいかなる力による一方的な行為にも反対する旨の発言があった。
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両閣僚は、ガイドライン見直し作業の前提となる日米間の戦略環境認識に関する議論が進展していることを歓迎し、引き続き精力的に議論を行っていくことで一致した。
米軍再編など在日米軍の駐留に関する施策
- 普天間飛行場代替施設について、2013(平成25)年1月に環境影響評価手続を終了するとともに、同年3月には公有水面埋立承認願書を沖縄県知事に提出した。
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嘉手納飛行場以南の土地の返還について、具体的な返還年度を含む返還スケジュールが統合計画に明記される形で日米間の交渉がまとまり、2013(同25)年4月5日に統合計画の公表に至った。