コラム

<VOICE>南スーダンPKOの衛生活動を振り返って-現場で活躍する医官の声-

第3次南スーダン派遣施設隊(当時) 1等陸尉 辻 博隆(つじ ひろたか)

私は、12(平成24)年12月から第3次南スーダン派遣施設隊の医官として、南スーダン共和国に派遣され、派遣隊員の健康管理、疾患(しっかん)治療などに従事してきました。
派遣施設隊では、これまで様々な形で現地のインフラ整備の支援などを行ってきましたが、私の派遣期間中は、ジュバ(南スーダン共和国の首都)近郊の道路整備などを中心に活動してきました。私の主な任務は、移動式医療システムを活用した医務室での隊員の治療業務です。胃腸炎、上気道炎、皮膚疾患、外傷の処置、傷の縫合(ほうごう)など、幅広く疾病(しっぺい)の治療に当たってきました。現地では、マラリアなど、日本ではまれな風土病の発生の恐れもあり、国内での診療とは違う緊張感もありました。他国の衛生関係者とも親睦を深めることができ、大変有意義な経験となりました。特にジュバ周辺の他国軍医師との情報共有や周辺国での病院研修は貴重な経験になりました。
本派遣を通じて、真剣に派遣施設隊として活動する隊員の衛生関連業務に参加させていただき、大変やりがいを感じました。今回のPKO活動の中で得た経験、技術を今後の診療に生かし、自衛隊衛生に貢献できればと思います。

移動式医療システムを活用した医務室と南スーダン派遣施設隊衛生班員(前列左から2番目が筆者)
移動式医療システムを活用した医務室と南スーダン派遣施設隊衛生班員(前列左から2番目が筆者)
 
前の項目に戻る      次の項目に進む