コラム

<VOICE>炎天下での医療活動 -パシフィックパートナーシップ2012参加隊員の声-

第1輸送隊司令(当時) 1等海佐 山田 勝規(やまだ かつのり)

パシフィックパートナーシップは、アジア太平洋地域の各国を病院船などが訪問する多国間の取組であり、スマトラ沖地震の07(平成19)年から、米国が主体となり、災害救助活動や医療活動などの能力向上を目的として行われています。昨年は、インドネシア、フィリピン、ベトナム、カンボジアで活動が行われ、米軍から第7駆逐隊司令部および病院船「マーシー」が参加しました。海上自衛隊の第1輸送隊司令部、輸送艦「おおすみ」は、陸海空自から派遣された医療チーム、NGOおよび米軍とともにフィリピン、ベトナムにおいて活動しました。各国約2週間と短い活動でしたが、炎天下の過酷な環境下でのNGOの人たちの献身的な活動や医療の力が印象的でした。主な活動である医療活動に加え、「おおすみ」乗員は寄港先の子供たちとの交流も行いました。子供達とのふれ合いは医療チームの疲れを癒(いや)し、心休まる時間となったようです。本訓練は、東日本大震災を通じて重要性が再認識された米軍やNGOなどとの連携や、国際緊急援助活動などのための有効な訓練です。また、このような取組を継続することは、アジア地域との友好親善という面でも有意義だと考えます。

フィリピンにおいて記念品を授与する筆者(左)
フィリピンにおいて記念品を授与する筆者(左)
 
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