コラム

<解説>南西地域の防衛態勢強化について

南西地域を始め多くの島嶼(しょ)を有するわが国の地理的特性を踏まえると、島嶼部の防衛はもともと重要なものであり、これまでの大綱においても、島嶼部に対する侵略または攻撃への対応が防衛力の役割として明記されていたが、南西地域には、依然として自衛隊の活動基盤が手薄な地域が存在している。
各種事態に迅速に対応して部隊が活動を行う際の拠点、機動力、輸送能力および実効的な対処能力を整備するため、このような自衛隊配備の空白となっている島嶼部に、必要最小限の部隊を新たに配置することが必要である。
昨年の北朝鮮による2度にわたるミサイル発射、中国公船により繰り返されるわが国領海への侵入、中国航空機による初めてのわが国への領空侵犯といった周辺国による軍事的活動の活発化など、わが国周辺の安全保障環境が一層厳しさを増す中、南西地域の防衛態勢の強化を図ることは喫緊の課題となっている。
このため、平成25年度予算において、南西地域における情報収集・警戒監視および安全確保に関する能力の向上を図るため、多くの事業を計上している(図表参照)。

平成25年度予算 南西地域の防衛態勢強化にかかる事業
平成25年度予算 南西地域の防衛態勢強化にかかる事業
 
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