第III部 わが国の防衛に関する施策
第3節 防衛省・自衛隊と地域社会・国民とのかかわり

防衛省・自衛隊の様々な活動は、防衛省・自衛隊のみですべてを行えるものではない。国民一人ひとり、そして、地方公共団体などの理解と協力があってはじめて可能となる。また、防衛省・自衛隊は、民生支援として様々な協力活動を行うとともに、防衛施設1の設置・運用が周辺住民の生活に及ぼす影響をできる限り少なくするよう努めている。こうした活動は、地域社会・国民と自衛隊相互の信頼をより一層深め、「社会的基盤」の充実・強化に寄与している。
本節では、このような観点から防衛省・自衛隊と地域社会・国民とのかかわりや国民の理解と協力を得るべく防衛省・自衛隊が行っている活動・施策について説明する。

1 市民生活の中での活動や社会に貢献する活動

自衛隊は、地方公共団体や関係機関などからの依頼に基づき、国民とかかわる様々な分野で、民生支援活動を行っている。これらの活動は、国民と自衛隊相互の信頼をより一層深めるものでもあり、隊員に日頃から国民生活に役立っているという誇りと自信を与えている。
参照 資料9293
陸自は、今日なお、全国各地で発見されている不発弾の処理にあたっている。平成24年度の処理実績は、件数1,430件、重量にして約46.1トンである。特に、沖縄県での処理量が全体の約60%を占めている。さらに、海自も今日まで機雷および爆発性危険物の除去や処理を継続的に行っている。平成24年度の処分実績は約1,523個、重量にして約14.5トンであった。また、全国の駐屯地や基地の多くでは、地方公共団体からの要請や、近隣住民からの声に応えて、部隊活動に支障のない範囲で施設を開放し、地域活動の活性化にも貢献している。さらに、音楽隊が各地の学校を訪問し、吹奏楽部員などに対する演奏指導を行うなど、地域住民との交流に努めている。

不発弾処理を行う陸自隊員
不発弾処理を行う陸自隊員
吹奏楽部員に対し演奏指導を行う音楽隊員
機雷処理を行う海自隊員
機雷処理を行う海自隊員
吹奏楽部員に対し演奏指導を行う音楽隊員

1)自衛隊が使用する施設と日米安保条約に基づき在日米軍が使用する施設・区域の総称であり、演習場、飛行場、港湾、通信施設、営舎、倉庫、弾薬庫、燃料庫などを指す。
 
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