第II部 わが国の防衛政策と日米安保体制
2 MV-22オスプレイの安全性

12(同24)年4月にモロッコにおいてMV-22の事故が、同年6月に米国のフロリダにおいてCV-221の事故が発生し、国民の間に懸念が広がったことから、日米両政府は、事故の調査結果が提供され、飛行運用の安全性が再確認されるまで、日本においていかなる飛行運用も行わないこととした。また、安全性の再確認のため、米側の事故調査結果などについて、わが国独自の視点と知見で、その内容が妥当であるかなどについて客観的に評価する分析評価チームを設置し、調査結果の検証を行った。この結果、モロッコにおけるMV-22およびフロリダにおけるCV-22墜落事故は人的要因によるところが大きく、機体自体の安全性に問題がないことが確認された。
さらに、MV-22の飛行運用に当たっても、その安全性を最大限に確保するため、日米合同委員会などにおいて、事故の再発防止策や運用に関する事項について米側と議論した。これにより、事故の教訓をふまえた人的要因を改善するための措置がとられていることを確認するとともに、MV-22の日本における運用に関して安全を確保するための具体的措置がとられることが日米合同委員会において合意された。
以上の結果を踏まえ、MV-22の日本における運用について、安全性は十分に確認されたものと考え、同年日本政府は、9月19日に「MV-22オスプレイの沖縄配備について」を公表し、わが国におけるMV-22オスプレイの飛行運用が開始された。政府としては、米国がMV-22に関する日米合同委員会における合意を遵守し、安全性などに最大限配慮してMV-22を運用してきていると認識しているが、MV-22の飛行運用の実施にあたり、引き続き、地元住民に十分な配慮がなされ、日米合同委員会における合意が適切に実施されるよう、日米防衛相会談をはじめ様々な機会を通じ米側への働きかけを継続的に行っている。
(図表II-3-3-1参照)

図表II-3-3-1 MV-22オスプレイ沖縄配備の経緯

1)MV-22型は海兵隊仕様で、強襲揚陸や輸送等を目的としており、CV-22型は空軍仕様で、特殊作戦等を目的としている。
 
前の項目に戻る      次の項目に進む