コラム

<VOICE> ADMMプラスにおける防衛医学協力

シンガポール軍医療部隊長 海軍大佐 ADMM防衛医学EWG共同議長
カン・ウィー・リー

ASEAN諸国および日本を含む8か国の「プラス」諸国が集う新しい枠組として10(平成22)年10月に発足したADMMプラスは、この地域の平和と安定のための大きな柱です。
閣僚級での戦略的対話の促進に加え、ADMMプラスは、参加各国の軍隊間の協力強化を目指しており、特に分野別の専門家会合(EWG)の役割は重要です。シンガポールは、日本とともに防衛医学に関するEWGの共同議長として、地域の人道支援・災害救援における各国の防衛医学分野での協力の強化に取り組んでいます。具体的には、11(同23)年7月の第1回EWG会合以降、同分野における各国の連絡窓口の登録、各国軍の医療支援能力のリスト化、災害救援時の医療支援に関するSOP※(標準運用手続き)の作成などに取り組んでいます。
12(同24)年7月には、東京において第2回EWG会合として机上演習を行う予定です。これは、災害発生時の初期対応といった厳しい環境に備え、各国軍間の相互運用性を高めることを目的としています。今日の大規模かつ複雑な災害の発生に対応するためには、人道支援・災害救援分野の防衛医学におけるこの地域全体での対処能力向上に向け、域内諸国間での、力を合わせたアプローチが求められています。

※Standard Operating Procedure

シンガポール軍医療部隊長海軍大佐ADMM防衛医学EWG共同議長カン・ウィー・リー
 
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