第III部 わが国の防衛に関する諸施策
7 日英防衛協力・交流
1 英国との防衛協力・交流の意義など

英国は、欧州のみならず世界に影響力を持つ大国であるとともに、わが国と歴史的にも深い関係があり、安全保障面でも米国の重要な同盟国として戦略的利益を共有している。このような観点から、国際平和協力活動、テロ対策、海賊対策などのグローバルな課題における協力や地域情勢などに関する情報交換を通じ、日英間で協力を深めることは、わが国にとって非常に重要である。
英国との間では、04(平成16)年1月、日英防衛相の間でも、両国の各分野での防衛協力を発展させていくための「防衛協力に関する覚書」が署名され、あらゆるレベル、様々な分野で協力と交流が行われている。また、12(同24)年4月、キャメロン英国首相が訪日した際、野田内閣総理大臣との日英両国首相による共同声明「世界の繁栄と安全保障を先導する戦略的パートナーシップ」により、政府間の情報保護協定の交渉開始、防衛協力覚書署名への支持、共同開発および共同生産のための適当な防衛装備品等の特定などが発表された。

岩ア空幕長(当時)とドールトン英国空軍参謀総長 (東京11(平成23)年8月)
岩ア空幕長(当時)とドールトン英国空軍参謀総長
(東京11(平成23)年8月)
2 最近の主要な防衛協力・交流実績など

11(同23)年10月、英国国防大臣が訪日し、日英防衛相会談を行い、今後の両国間のより具体的な協力の実現に向けた、新たな日英防衛協力覚書の策定作業を開始することで一致した。12(同24)年6月のシャングリラ会合では、渡辺防衛副大臣とハーヴィー国防閣外大臣との会談において、同覚書を取り交わすとともに、同覚書に基づき、各分野における日英協力を緊密にしていくことで一致した。
また、11(同23)年8月、英国空軍参謀長が訪日したほか、英国主催のサイバー空間に関する国際会議への防衛省からの参加など、専門的な分野での交流も開始した。さらに、11(同23)年10月には、米英共催のバーレーン周辺海域で行われた掃海訓練に海自艦艇が参加した。この訓練への参加は、海自の掃海技量の向上や、英国および米国との協力関係の増進に資する有意義なものとなった。
(図表III―3―2―8参照 )

図表III―3―2―8 最近の日英防衛協力・交流の主要な実績(過去3か年)
 
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