第III部 わが国の防衛に関する諸施策
8 欧州諸国およびその他諸国との防衛協力・交流

欧州は、わが国と民主主義、法の支配、人権の尊重、資本主義経済といった基本的な価値を共有し、また、テロ対策や海賊対処などの非伝統的安全保障分野や国際平和協力活動を中心に、グローバルな安全保障上の共通課題に取り組むための中核を担っている。そのため、欧州諸国と防衛協力・交流を進展させることは、わが国がこうしたグローバルな課題に積極的に関与することについての基盤を提供するものであり、わが国と欧州の双方にとって重要である。
このような認識のもと、フランスとの間では、12(平成24)年6月のシャングリラ会合の際に、渡辺防衛副大臣とル・ドリアン国防大臣との会談を行い、地域およびグローバルな安全保障課題に両国が積極的に貢献していくことで一致した。また、トルコ、スウェーデン、グルジア各国との間では、防衛次長級協議を行い、地域情勢やグローバルな安全保障問題についての活発な意見交換を行った。
イタリアとの間では、12(同24)年6月に、ディ・パオラ国防大臣が訪日し、森本防衛大臣との会談を行い、防衛交流・協力の意図表明文書に署名し、地域情勢や日伊防衛協力・交流などについて幅広く意見交換を行った。

巡閲する森本防衛大臣とディ・パオラ伊国防大臣 (東京12(平成24)年6月)
巡閲する森本防衛大臣とディ・パオラ伊国防大臣
(東京12(平成24)年6月)

また、NATOとの間では、10(同22)年6月に日・NATO情報保護協定を、フランスとの間では、11(同23)年10月に、日仏情報保護協定を締結し、情報共有の基盤を整備している。
また、その他諸国との交流では、モンゴルとの間で、12(同24)年1月、一川防衛大臣(当時)がモンゴルを訪問し、ボルド・モンゴル国防大臣と会談し、地域情勢についての意見交換や日モンゴル防衛協力・交流の推進について一致した。会談終了後、日モンゴル防衛協力・交流の覚書に署名した。

日モンゴル防衛協力・交流に関する覚書に署名する 一川防衛大臣(当時)とボルド・モンゴル国防大臣 (ウランバートル12(平成24)年1月)
日モンゴル防衛協力・交流に関する覚書に署名する一川防衛大臣(当時)とボルド・モンゴル国防大臣
(ウランバートル12(平成24)年1月)

カナダとの間では、11(同23)年8月、カナダ外務・国防次官が訪日し、外務当局を含めた第1回日加次官級「2+2」対話を行い、自衛隊とカナダ軍の連携促進が重要であることから、ACSAの締結交渉を開始することで一致した。

金澤防衛事務次官とフォンバーグ・カナダ国防次官 (シンガポール12(平成24)年6月)
金澤防衛事務次官とフォンバーグ・カナダ国防次官
(シンガポール12(平成24)年6月)

12(同24)年4月にバーレーンとの間で、日バーレーン防衛交流に関する覚書が防衛事務次官とハリート・バーレーン殿下との間で署名された。
ニュージーランドとの間では、12(同24)年6月のシャングリラ会合の際に、渡辺防衛副大臣とコーマン国防大臣が会談を行い、両国間の防衛協力や地域情勢について意見交換を行うとともに、双方は、日本およびニュージーランドがそれぞれ共同議長を務める、ADMMプラス防衛医学専門家会合(EWG)およびPKO専門家会合(EWG)について共に積極的に協力していくことで一致した。
(図表III―3―2―9参照)

図表III―3―2―9 最近の欧州およびその他の諸国との防衛協力・交流の主要な実績(過去3か年)
 
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