第II部 わが国の防衛政策の基本と動的防衛力
6 評価結果
1 第1段階評価

3機種とも全ての必須要求事項を満たした。

2 第2段階評価

ア 性能
機体性能、火器管制能力、電子戦能力、ステルス目標探知能力、航空阻止能力(空対地攻撃能力など)、その他の全てにおいてバランス良く高得点を獲得したほか、数理解析によるシミュレーション(OR:Operations Research)においても最高点を獲得したF―35Aが最も高い評価を得た。
イ 経費
最も費用がかさむ経費項目である機体購入費と燃料費のうち、機体購入費についてはF/A―18Eの評価が最も高く(経費が安い)、燃料費についてはタイフーンの評価が最も高かった(経費が安い)。しかしながら、「経費」全体の評価においては、F―35Aが、機体購入費と燃料費のいずれにおいても次点の評価を獲得し、また、空自と同様の空中受油方式を採用しており追加の改修経費も発生しなかったため最高点を獲得した。F―35Aと次点の機種とは僅差であった。

図表II―3―5―3 給油方式

ウ 国内企業参画
F/A―18Eおよびタイフーンは、国内企業による製造参画が可能であるとした構成品などの提案の数が多かった。このうち、タイフーンについては、一定の経費枠の範囲内に収まる提案が少なかったため、経費枠内の評価では最高点を得られなかったものの、各構成品などについて許容される製造参画の程度や技術開示の程度が高かったことから、「国内企業参画」全体の評価において最高点を獲得した。
エ 後方支援
3機種の評価が最も拮抗した評価要素となったが、航空機の故障部位をより詳細に特定する機能や構成品の交換予測時期を診断する機能を有するF―35Aが最高点を獲得した。なお、3機種とも、維持・運用経費を抑制するための手法として、維持整備に係る成果の達成に応じて対価を支払う新たな契約方式(PBL:Performance Based Logistics)の提案があり、この点につき同一の評価点を獲得した。
オ 総合得点
前述の4つの評価要素についての評価点をそれぞれの機種について合計した結果、F―35Aが最高点を獲得した。

3 結論

第2段階評価において最高点を獲得した機種が1つであったことから、第3段階評価は行わず、当該最高点を獲得したF―35AをF―4後継機である次期戦闘機として選定した。

 
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