第II部 わが国の防衛政策の基本と動的防衛力
2 機種選定にかかる経緯

「中期防衛力整備計画(平成17年度〜平成21年度)」(17中期防)において、「現有の戦闘機(F―4)の後継機として、新たな戦闘機を整備する」とされたことを受け、05(同17)年7月から次期戦闘機の選定に向けた作業を本格化した。
その後、4の「次期戦闘機に求められる性能など」を満たす可能性のある戦闘機(調査対象機種)としてF−22(ロッキード・マーチン社)、F−35(ロッキード・マーチン社)、F−15FX(ボーイング社)、F/A−18E/F(ボーイング社)、ユーロファイター・タイフーン(ユーロファイター社)、ラファール(ダッソー社)を選び、これら6機種について詳細な情報を入手するため、各機種を製造する外国製造企業の所在する国の政府に対し、06(同18)年3月までに質問状を送付した。一切回答が得られなかったF−22を除き、他の機種については、07(同19)年7月までに概ね回答を得ることができた。また、海外調査を行うなどして、必要な情報収集を継続したが、必ずしも十分な情報が得られなかったことなどを踏まえ、当初予定されていた17中期防期間中における7機の次期戦闘機の取得を見送った。
(図表II―3―5―1参照)

図表II―3―5―1 次期戦闘機調査対象機種の概要

その後も、10(同22)年2月から3月にかけて調査対象機種の共同開発国や運用国であるオーストラリア、ノルウェー、イギリスおよびイタリアで海外調査を行うなど情報収集に努めるとともに、11(同23)年1月からは、戦闘機の製造などにかかる技術および知見を有する国内企業から必要な助言などを受けた。これらにより、提案要求書の発出に必要な情報が整ったと判断したこと、また、F―4戦闘機の減勢を踏まえれば、可能な限り早急に次期戦闘機を取得する必要があることから、平成24年度予算に次期戦闘機の取得に係る経費を計上するため、11(同23)年4月13日に提案要求書を発出した。
提案書提出の締切り日である11(同23)年9月26日、F/A―18EおよびF―35Aを提案機種とする米国政府ならびにタイフーンを提案機種とする英国政府などから提案書を受領し、あらかじめ定められた評価基準に則り、3段階の評価方法により、これらの提案書を分析・評価した。

 
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