ダイジェスト
東日本大震災は、東北地方の沿岸部を中心に壊滅的な被害を及ぼした。防衛省・自衛隊は、災統合任務部隊を編成し、最大時には10万人を越える態勢で、被災者の安全および生活の安定を確保すべく総力を挙げて各種活動に取り組んできた。
人命救助など
地震発生当初、防衛省・自衛隊はまず、被災者の捜索・救助に全力をあげ、約19,000名の被災者を救出した。
地震発生から日を経るに従い、自衛隊の活動は、行方不明者の捜索活動へとシフトした。
倒壊家屋からの救出
一歩一歩手探りによる行方不明者の捜索活動
輸送支援
地震発生直後、自衛隊は、災害派遣医療チームや患者のほか、各国から派遣された救助隊などの輸送支援を行った。
被災地域へ様々な救援物資を迅速かつ的確に輸送し、各避難所のニーズを踏まえて配分する必要が生じたため、全国の地方公共団体および民間から提供される救援物資を、被災地の避難所まで届けるスキームを構築した。
生活支援
被災者の生活の安定を確保すべく、給水支援(水タンク車などによる飲料水や生活用水の提供)、給食支援(非常用糧食の提供や野外炊具による炊き出しなど)、燃料支援(救援物資として提供される燃料の輸送や駐屯地などで保有・備蓄する燃料を無償で提供するなど)、入浴支援(野外入浴セットなどの活用や艦艇および基地などの隊員浴場の開放など)、衛生支援(被災地各地での応急救護所の開設や巡回診療など)などさまざまな生活支援活動を行った。
心を込めた炊き出し
輸送艦艦内の特設風呂
応急復旧支援
震災直後は人命救助に必要な現場への展開や輸送支援実施のための道路および拠点となる空港・港湾を使用可能にすることを優先しながら、自治体や住民の手による復興活動が円滑に行われるよう、自治体のニーズを踏まえ、瓦礫を撤去するのみならず集積地まで運搬し処分する支援などを行った。
震災発生後3か月以上が経過し、自治体と調整しながら、民間業者などとも協力して家屋倒壊により生じた瓦礫の除去、運搬・処分などの支援を継続している。
装備品を代用した応急的な橋梁
隊員による瓦礫の除去
思い出の品々
原子力災害への対応
原子力災害対策本部長(総理大臣)からの要請を受け、原子力災害派遣命令を発出し、陸自の中央特殊武器防護隊を中核として事態へ対応した。
原子炉や使用済燃料プールを冷却するため、ヘリコプターによる水の投下や、消防車を使用しての放水などを行ったほか、福島第一原発周辺のモニタリング作業、同周辺地域の行方不明者捜索活動などを行った。
地上からの放水の様子
即応予備自衛官などの招集
招集された即応予備自衛官や予備自衛官は、行方不明者の捜索や被災者支援活動などさまざまな活動に従事した。
支援物資の交付
各国軍からの支援
今般の対応においては、米軍の大規模な「トモダチ作戦」をはじめ、各国軍からさまざまな支援を受けた。
豪軍C-17による自衛隊車両の輸送〔豪国防省〕
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