コラム
<解説>護衛艦「ひゅうが」の災害派遣における貢献
自衛隊は、自然災害をはじめとする災害の発生時に、被災者や行方不明者の捜索・救助、人員や物資の輸送、傷病者に対する医療といった様々な活動を行っており、多様な事態に際して大きな役割を果たしている。
11(平成23)年3月に発生した東日本大震災では、平時から有事までの多様な事態に対応可能な多機能性を有する「ひゅうが」の能力が遺憾なく発揮された。
発災後、「ひゅうが」は被災地域の近傍海域に速やかに展開し、自艦(搭載ヘリコプター4機を含む。)で行方不明者の捜索・救助を行うとともに、高い指揮通信能力を活かし、同一海域で行動する他の艦艇の指揮中枢として、その指揮機能を十分に発揮した。また、全通ヘリコプター甲板を全幅活用し、陸・海・空自および米海軍が実施する人員・物資輸送の洋上中継基地として活躍するとともに、発災直後から活動に参加した米軍との連携では、日米間の様々な調整における中核的役割を果たし、米軍による「トモダチ作戦」(被災協力活動)の円滑な実施に大きく寄与した。さらに、被災地域の住民に対し、歯科治療をはじめとする医療支援、入浴支援などの多様なニーズにも柔軟に対応した。
海上自衛隊としては、今回の震災で得た実績および教訓を十分に反映し、国民の安全確保や国際貢献などの多様な任務に対応できるよう、平素から訓練を重ねていく予定である。
海上自衛隊ヘリコプター・米軍ヘリコプターによる「ひゅうが」への物資輸送
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