コラム 

<VOICE>東日本大震災における災害派遣活動

第39普通科連隊長 1等陸佐 佐々木 俊哉(ささき としや)

第39普通科連隊(青森県弘前市)は東日本大震災発災の翌3月12日早朝から岩手県大船渡市において災害派遣活動に従事しました。活動内容は、行方不明者の捜索、瓦礫の除去、生活支援(給水、炊出し、避難所に対する必要物資の輸送)、その他(夜間の防犯パトロールなど)でした。被災地は地震とその後に襲った津波による被害が甚大であり、当初その町並みの想像を絶する惨状に暫し呆然としたことを覚えています。
活動初頭に被災地の状況を確認していると、我々に手を合わせる老婦人がありました。これを見聞きして隊員は皆一層奮い立ち、「被災者第一」「注意継続」「長期覚悟」を心得とし、「我々は今この時のために在る」と覚悟を決めて不休の活動が始まりました。
 
現場指導する筆者(右)
現場指導する筆者(右)

連隊は、活動開始直後から毎日市役所において市、消防および警察とで調整会議を実施しました。会議では当日の活動内容を相互に確認・反省するとともに翌日の活動内容の方針・実施要領などを決定しました。これにより、活動現場においても連携の取れた行方不明者捜索活動、瓦礫除去などを実施することができました。
降雪の中、躊躇(ちゅうちょ)することなく瓦礫に埋まった水路に入って行方不明者を捜索する若い隊員や、危険をともなう瓦礫の除去にあたって被災された方々の思いのある品々を丁重に扱う隊員に対し、被災された方々から多くの感謝の言葉、お礼の気持ちが寄せられました。また、給水支援の隊員と触れ合うことにより津波のショックで失った笑顔を取り戻した5歳の少年の感謝と応援の絵手紙、日本各地の皆様や隊員家族からの多くの応援メールなどは日々厳しい環境で活動した我々の大きな励みになりました。
 
水路で行方不明者捜索実施中の隊員
水路で行方不明者捜索実施中の隊員
 
5歳の少年からの絵手紙
5歳の少年からの絵手紙

連隊の一部は2月末までPKO活動のためハイチに派遣されており、大船渡市での災害派遣活動間も多くの隊員がハイチに引き続き体調維持のためのサプリメントを服用して活動間の栄養不足解消に努めていました。また、連隊の総力を挙げた今次活動は、結果的にハイチに派遣されていた隊員と日本に残っていた隊員の一体化を促進することになり、長期の派遣活動を容易にすることができました。
私は連隊長として、活動間の困難を克服し、被災した方々のために献身した隊員を頼もしく、誇らしく思います。
被災地が一日も早く復興して美しい三陸の町々が戻ってくることを祈念するとともに、再び求めがあった時、その役割を満足に果たし得る部隊たるべく、隊員とともに日々精進して参りたいと思います。

 

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