コラム 

<解説>C4ISR部隊実験について

陸上自衛隊は、情報RMA※1を推進するために必要不可欠な機能であるC4ISR※2の先進化に取り組んでいる。その一環として、平成19年度から陸自研究本部および北部方面隊(第2師団)を担任としたC4ISR部隊実験を実施している。本実験は、既存の指揮統制や情報通信に用いる装備(C4ISR装備)に加え、研究開発中の装備品や民生品を活用して最新の情報通信技術を取り込みつつ、将来に向けた新たな「戦い方」を創造するとともに、C4ISR装備の効率的な整備の方策を考察することを目的としている。
このため、シミュレーションを活用した指揮所演習や、隊員による実際の運用により、本格的な侵略事態、ゲリラや特殊部隊による攻撃などの各種事態における戦い方を検証している。これまでの成果として、末端部隊に至るまでの情報共有能力の向上、火力効果の向上、命令伝達時間の短縮などの方策を確認するとともに、師団・旅団の指揮通信などに用いる師団等指揮システムなどのC4ISR装備の機能改善に寄与している。
このように、本実験は、世界的な情報通信技術の革新的変化に対応し、陸自の先進化を効果的・効率的に推進させる試みであり、実効性ある陸上防衛力を整備してますます広域・複合化する将来の戦いに勝利するための取組でもある。
 
師団等指揮システムを活用した指揮所活動
師団等指揮システムを活用した指揮所活動
 
近距離用UAVによる情報収集活動
 
近距離用UAVによる情報収集活動

※1  RMA:Revolution in Military A? airs(先進技術を軍事システムに導入することによる技術先導型の軍事革命)※2  C4ISR:指揮(Command)、統制(Control)、通信(Communication)、コンピューター(Computer)、情報(Intelligence)、監視(Surveillance)、偵察(Reconnaissance)

 

前の項目に戻る     次の項目に進む