コラム 

<解説>アフリカにおける自衛隊史上初の拠点整備−派遣海賊対処行動航空隊の新活動拠点−

防衛省・自衛隊がジブチ共和国に整備した派遣海賊対処行動航空隊のための新活動拠点には、自衛隊専用の駐機場や、司令部庁舎、宿舎などの生活関連施設を備えている。また、日本とは全く環境が異なるジブチにおいて、自衛隊が円滑に任務を遂行できるよう整備されている。
たとえば、夏季には50℃を超える酷暑の中での任務となっていることを踏まえ、隊員が心身共に健康に任務に就けるよう、医務室や日本型の浴場などの施設を備えている。また、日本との間で、任務状況の連絡や隊員の家族との通信をより一層スムーズに行えるよう、電話・インターネットによる通信環境を改善している。
なお、ジブチは東アフリカにおける国際的な海賊対処活動の一大拠点であるが、旧宗主国であり現在も相互防衛協定を締結しているフランスや、01(平成13)年以後「テロとの闘い」の一環として防衛協力関係を進めてきた米国以外に、同国に活動拠点を整備して海賊対処に取り組む国はない。そのため、防衛省・自衛隊の新活動拠点は、海賊対処に強い決意を持って臨むというわが国の揺るぎない意志を示す象徴的存在となっている。また、アフリカにおける活動拠点は自衛隊の海外任務の歴史の中で初めてのものとなるが、ホスト国であるジブチをはじめ、空港周辺に基地を持つ米・仏軍との協力のもとに整備された国際協力の成果の一つである。
 
小川防衛副大臣より部隊看板授与
小川防衛副大臣より部隊看板授与
 
航空隊隊員と新活動拠点
航空隊隊員と新活動拠点

 

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