コラム 

<解説>日米共同訓練について

自衛隊は創設以来、わが国の防衛のため、同盟国である米国の陸・海・空軍および海兵隊との相互運用性を向上させることを目的として、さまざまな訓練を共同で行っている。そこでは、陸・海・空それぞれの場面において、お互いの意思疎通の円滑化もさることながら、日米双方の部隊を、その特徴に基づく役割分担の観点から、いかに効果的・効率的に運用するかについて訓練を行っている。
たとえば、海上作戦においては、要となる米海軍の空母部隊が、敵の脅威度が低い環境下で艦載機の運用ができるようにするため、海上自衛隊の護衛艦、潜水艦、哨戒機などが、空母部隊が展開する予定の海域に事前に入り、敵の潜水艦、艦艇などを捜索し、それらを発見した場合には、空母部隊への攻撃が不可能となるよう、それらの行動を阻止する。また、米海軍の空母部隊や海上自衛隊の護衛艦部隊が作戦海域へ進出するために港を離れる際、あるいは補給などのために入港する際には、海上自衛隊の掃海艇が出入港に使用する航路上の機雷の有無を事前に調べ、機雷の敷設を確認した場合には、それを取り除き、部隊の出入港時の安全を確保する。
このように日米が緊密に連携した運用は一朝一夕に出来るようになるものではない。日米共同訓練を行って、共同対処能力を向上させ、日米安保体制の信頼性と抑止効果の維持・向上につなげる努力を続けている。
 
並走する日米の艦船
並走する日米の艦船

 

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