コラム 

<解説>新たな救難ヘリコプターについて

航空自衛隊は、昭和63年度から救難ヘリコプター(UH-60J)を取得し運用してきたが、初号機の取得から20年以上を経て、減勢が始まることから、その後継機を取得する必要がある。
このため、防衛省は、航空自衛隊の次期救難ヘリコプターの機種選定を行い、10(平成22)年11月5日、機種は「UH-60J(近代化)」に決定した。
この新たな救難ヘリコプターには、現有のUH-60Jに対してこれまで講じてきた能力向上の取組を活かしつつ、衝突防止装置(TCAS)や、衛星通信装置などを新たに装備することとしている。
TCASの装備により、他の航空機の接近を検知し、航空機間の相対的な位置関係を、自機のみで入手することが可能になる。このため、救難活動での安全性をより一層高められる。
衛星通信装置は、陸地から遠く離れた低高度を飛行する際に、確実に指揮所などと通信するために必要な装備品である。この他にも、予備ホイストを装備するなど、救難活動の確実性を向上させており、総合的な救難能力の向上を図っている。
航空自衛隊の航空救難部隊は、58(昭和33)年の部隊創設以降、数々の航空救難や災害派遣などの活動を行ってきた。今後とも、搭乗員の練度や装備品の維持・向上に努め、24時間365日、絶え間なく救難待機に就き、各種事態に備えていく。
 
新たな救難ヘリコプター(イメージ図)
新たな救難ヘリコプター(イメージ図)

 

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