コラム 

<解説>次期固定翼哨戒機(XP-1)の開発

81(昭和56)年から導入および運用を開始した現有の固定翼哨戒機(P-3C)が耐用命数を順次迎えることにより、わが国の防衛に影響を及ぼすことが見込まれたため、後継機選定に関する各種検討を経て、平成13年度に次期固定翼哨戒機(XP-1)の開発に着手した。現在は、試作1号機、試作2号機などを用いた性能評価を実施中である。
 
離陸する次期固定翼哨戒機(XP-1)
離陸する次期固定翼哨戒機(XP-1)

XP-1開発にあたっては、各種脅威に対処していくため、能力向上を図る必要があり、国内の技術力を結集して、機体、エンジン、搭載電子機器などの開発に取り組んだ。
能力向上の概要は、以下のとおりである。
・ターボファン・エンジン導入による飛行性能の向上・諸外国潜水艦の静粛化、高速化などに対応するための潜水艦探知能力などの向上
・不審船事案などへの対処を想定して小型水上目標を捜索・識別するためのレーダーおよび光学センサー能力の向上
開発が終了した後、XP-1はP-1となり、わが国周辺海域で情報収集・警戒監視に当たる固定翼哨戒機の主力は、長年活躍してきたP-3CからP-1へと徐々に移行していくこととなる。
 
一緒に飛行する次期固定翼哨戒機XP-1(手前)と現在の固定翼哨戒機P-3C(奥)
一緒に飛行する次期固定翼哨戒機XP-1(手前)と現在の固定翼哨戒機P-3C(奥)

 

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