第III部 わが国の防衛に関する諸施策 

6 日露防衛交流・協力
ロシアは、欧州、中央アジアおよびアジア太平洋地域の安全保障に大きな影響力を持ち、かつ日本の隣国でもあることから、日露の防衛交流を深め、信頼・協力関係を増進させることはきわめて重要である。防衛省は、さまざまな分野で日露関係が進展する中、99年(平成11)年に作成された日露防衛交流に関する覚書(06(同18)年改定)に沿って、各レベルで着実にロシアとの交流を進めており、外務・防衛当局間による安保協議や、局長・審議官級の防衛当局間協議をはじめ、日露海上事故防止協定に基づく年次会合、さらに、捜索・救難共同訓練などを継続的に行っている。ロシアとの交流は、09(同21)年は、ロシア軍の組織改編の影響もあり、やや低調であったが、10(同22)年は、活発さを取り戻し、ハイレベルでは、6月にゼーリン露空軍司令官の訪日、9月にマカロフ露軍参謀総長の訪日が行われ、実務者レベルでは、7月に安保協議および防衛当局間協議が行われた。また、部隊間レベルでは、7月に海自艦艇の訪露および第11回日露捜索・救難共同訓練が行われ、10月には露海軍艦艇が訪日した。さらに、11(同23)年6月、IISSアジア安全保障会議に際して、北澤防衛大臣とイワノフ露副首相(前国防大臣)との間で会談が行われ、双方は、さまざまな防衛交流を通じて相互理解および信頼関係の強化を図ることが極めて重要であること、北澤大臣の早期訪露を実現することで一致した。
(図表III-3-2-6参照)
 
折木統合幕僚長とマカロフ露軍参謀総長
折木統合幕僚長とマカロフ露軍参謀総長
 
図表III-3-2-6 最近の日露防衛交流・協力の主要な実績

 

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