第I部 わが国を取り巻く安全保障環境 

第8節 欧州

1 全般
冷戦終結後、欧州の多くの国では、国家による大規模な侵攻の脅威は消滅したと認識され、欧州域内やその周辺における地域紛争の発生、国際テロリズムの台頭、大量破壊兵器の拡散、サイバー空間における脅威の増大といった事態が新たな安全保障上の課題として捉えられてきた。
こうした課題に対処するため、欧州では、北大西洋条約機構(NATO:North Atlantic Treaty Organization)(加盟国28か国)や欧州連合(EU:European Union)(加盟国27か国)の枠組の強化・拡大を軸とした安全保障環境の安定化が模索されてきており、また、各国においても、厳しさを増す財政上の制約を勘案しつつ、新たな課題に対処可能な能力の整備が進められている。

 

前の項目に戻る     次の項目に進む