(VOICE)「しらせ」乗員に支えられる南極観測
第51次観測隊夏隊 副隊長(夏期設営担当) 勝田 豊(かつた ゆたか)氏
(現:国立極地研究所 南極観測センター 専門員)
私は、昨年出発した第51次南極地域観測隊に夏隊副隊長として参加し、主として観測隊の物資輸送を担当しました。観測隊の物資は、年1回「しらせ」の航海によって南極の昭和基地まで輸送されます。今回日本で搭載した観測隊の物資は約1,300トンでしたが、航海中の点検を始め、現地での荷下ろし、ヘリコプターによる空輸、持ち帰り物資の搭載など、すべて「しらせ」乗員によって行われます。51次隊は、二代目「しらせ」の処女航海であると同時に輸送形態も新たに12ftコンテナ*を採用するなど懸案事項はたくさんありましたが、様々な部署の乗員の協力により、問題なく輸送業務を完了できました。
今回は私にとって6回目の南極行動でしたが、毎回「しらせ」の組織力には感心します。観測隊の物資を安心して任せることができます。また、観測隊員にとっては自衛艦での船旅や乗員との交流も貴重な体験であり、私にとっても思い出深い経験となっています。
* コンテナの種類の一つ。国内では鉄道コンテナの主流となっており、コンテナの長さが12ft(約3.6m)。