第III部 わが国の防衛に関する諸施策 

(VOICE)3K(危険、汚い、きつい)でも1K「光栄」 −潜水艦造船所の熟練従業員の声−

株式会社川崎造船 神戸工場 吉田 憲治(よしだ けんじ)氏
 
熟練溶接技術者の吉田氏と溶接作業の様子〔川崎造船〕

 何よりも「狭く」何よりも「暑い」環境で行う何よりも「高度」な溶接作業が、何よりも「深く」何よりも「静かに」潜航する潜水艦の建造を支えています。潜水艦に使用される超高張力鋼材の溶接技術取得には、入社後5年以上の歳月を必要とします。新人溶接技術者の技術向上と歩みを同じくして潜水艦は完成に近づくのです。

三菱重工業株式会社 神戸造船所 黒田 直樹(くろだ なおき)氏
 
熟練溶接技術者の黒田氏と溶接作業の様子〔三菱重工業〕

 真新しい自衛艦旗を掲げた新造潜水艦が、軍艦マーチにのって造船所の岸壁を離れる時、自分が育てた新人溶接技術者の顔と自分が手懸けた溶接箇所が思い出され目頭が熱くなります。我が子(潜水艦)の旅立ちから時を経て、海上防衛の最前線で活躍した軌跡(傷み、汚れ)と共にマザードックに帰ってきた時、「良くやった」と心の中で唱えつつもう一度目頭が熱くなります。

 

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