第III部 わが国の防衛に関する諸施策 

(Q&A)先進技術実証機について

Q:諸外国の戦闘機の趨勢(すうせい)はどのようなものですか?
A:現在の戦闘機の趨勢は米国のF-22に代表されるステルス性および高運動性、高度なアビオニクスなどを備えた戦闘機、いわゆる第5世代機が戦闘力で圧倒的な優位性を誇っており、諸外国では第5世代機のキーテクノロジーであるステルス性、高運動性などに係わる研究開発が進められています。
 
先進技術実証機について

Q:先進技術実証機を使ってどのような研究をしているのですか?
A:先進技術実証機は、ステルス性、高運動性、軽量かつ高強度の素材といった各種先進技術を実際に飛行実験を行うことによって、近い将来、わが国周辺に配備される可能性があるステルス戦闘機に対する防空態勢の検討に役立つものと考えています。ステルス機はレーダー反射断面積(RCS:Radar Cross Section)を小さくしてレーダーに映りにくくしていますが、実際のレーダーへの映り方はRCSの大小だけではなく、機体姿勢や進行方向およびレーダーの信号処理の方法などにより大きく変動しています。ところが、わが国では実際にRCSの分かっているステルス機をレーダーで観測したことがないため、ステルス機がどのようにレーダーに映るのかといった実データが存在しません。そこで、先行研究においてあらかじめRCSを測定した先進技術実証機の飛行状態をレーダーで観測することにより、ステルス機を捕捉・追尾するために必要な技術的資料を収集することが可能となるのです。
 
実機と実レーダーを用いてステルスの実現象データを取得

 

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