第III部 わが国の防衛に関する諸施策 

(VOICE)国際会議の舞台裏

防衛政策局国際政策課 防衛部員 佐藤 勝久(さとう かつひさ)

 華やかな国際会議の裏には、スタッフの地道な苦労があります。
 10(平成22)年3月の「日・ASEAN諸国次官級会合」においては、事務方として多くの調整事項があり、担当の私には正に難行苦行でした。
 09(同21)年10月頃からアジェンダの確定に1か月程費やし、大臣などへ会議の趣旨を説明し、その後、各国国防省へ招待状を発出します。それで準備は終わりではありません。11の国と機関の高官の来日となると、入国審査などの手続きの関係省庁との調整、空港出迎えの要領、会場であるホテル側との細部調整など細かいところまで気を抜くことができません。また、事前にあらゆる接触の機会をとらえて、次官級の参加を相手側に念押しすることも忘れませんでした。さらに、議論を実りあるものとするため、日本側からの政策発表・提案を行うためのプレゼン資料も複数作ることが必要であり、上司と何度も相談しながら練り上げました。
 しかし、こうした苦労も、ASEANの方々が喜んで帰国されると吹きとび、来年も頑張ろうという気になるのです。
 
日・ASEAN諸国次官級会合レセプションにおいて(中央 佐藤部員)

 

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