第III部 わが国の防衛に関する諸施策 

(VOICE)防大の国際交流 −東ティモールからの留学生−

 防衛大学校には約90名の留学生がいる。1958年のタイを皮切りにアジア諸国から防大への留学が伝統となった。近年、研究科(大学院)への留学も増え、交流は多角化し拡大するとともに双方向化している。同盟国アメリカの陸海空士官学校とは毎年6名を互いに4ヶ月派遣し合っている。フランスをはじめいくつかの士官学校とも交換留学について話が進んでいる。
 本年、防大は新たに東ティモールから男女4名を迎えた。昨年、北原大使の案内で同国のグスマン首相が来校し、全防大生に講演した。独立運動のこと、初代首相となり国づくりに取り組む中、クーデター騒ぎがあったこと、そして規律正しい軍幹部の養成のため防大に若者を留学させたいと考えたと、そう目的を語られた。東ティモールといえば自衛隊がPKO活動を行った地である。住民に銃口を向けるのではなく、住民のお役に立つことを進んで行う有能で軍紀の確かな自衛隊、その評判を得た活動あればこその要請であろう。民主主義時代の軍幹部を養成するには日本留学がよい、そうした期待に応える4人のよき防大留学となることを望みたい。

防衛大学校長 五百籏頭 眞
 
東ティモールからの留学生と五百旗頭防衛大学校長

 

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