第III部 わが国の防衛に関する諸施策 

(VOICE)日豪関係の進展

オーストラリア大使館付 国防・陸・海・空軍武官 陸軍大佐 ティム・ジェレル

二度あることは三度ある
 日本はオーストラリアにとって大変重要な戦略パートナーです。非常に強固な豪日防衛関係は、この10年間で、より実務的になってきました。東ティモールでの運用協力(2002−2004)、イラク復興支援(2004−2006)、アチェ(2005)およびスマトラ(2009)での人道支援・災害救援作戦、さらに最近では、アデン湾における海賊対処において成功をおさめました。

勝って兜の緒を締めよ
 共に働くなかで、両国の国防軍、自衛隊は国際の平和と安全保障に多大な貢献をしてきました。しかし、そうした個々の任務は、予測しがたいものであり、われわれは過去の実績に甘んずるわけにはゆきません。以前の経験から学んだ教訓に基づき、次に協同して展開するときに備え、懸命の努力を続けなくてはならないのです。

 すばらしい成果をあげた2007年の安全保障協力に関する日豪共同宣言、2005年および2008年の防衛交流覚書をもとに、両国政府は、2010年5月19日、物品役務相互提供協定(ACSA)に署名しました。実務的協力を深める次なるステップとして、実際の活動に適用する前に、互いにACSAの運用に慣れておくため、双方で演習および試験を頻繁に実施する必要があります。有効な関係の常として、将来の成功を確実なものとすべく、両国は今後とも共に努力を重ねてゆかねばなりません。
 
日豪防衛相会談におけるティム・ジェレル陸軍大佐(手前)

 

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