第III部 わが国の防衛に関する諸施策 

(VOICE)ハイチ国際緊急援助隊に参加した隊員(陸自医官)の声

第13旅団司令部医務官(ハイチ国際緊急医療援助隊治療隊長)2等陸佐 畑中 公輔(なかはた こうすけ)

 我々は平成22年1月13日にハイチで地震が起きてから10日後にJICAの活動を引継ぎ、レオガンの看護学校を拠点として医療活動を開始しました。当初の約1週間は骨折・挫創などの外傷患者が多く、その後は衛生状態の悪化に伴い感冒、胃腸炎、マラリアなど感染症の患者が増加してきました。約3週間の活動中、2,954名の患者に対して治療を行いましたが、特に整形外科、内科、婦人科の医療ニーズが多いと感じました。活動中、我々だけでは対応が困難な傷病者が現れる場合もありましたが、周囲の米軍・カナダ軍や米国のNGOと協力して対応しました。2月中旬以降、我々の医療活動を日本赤十字社が引き継ぐこととなり、円滑に任務を終了することができたと思います。
 今回、国際緊急援助活動において民間の医療支援団体、他国の軍隊・NGOとの連携が非常に重要であると認識しました。災害医療に対する自分の視野が広がり、貴重な経験ができたと思います。
 
現地の患者に超音波検査を行っている畑中2佐

 

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