第III部 わが国の防衛に関する諸施策 

(VOICE)派遣海賊対処行動航空隊司令の声(統合任務部隊の観点から)

第1次派遣海賊対処行動航空隊司令 1等海佐 福島 博(ふくしま ひろし)
(現:第201教育航空隊司令)

 私は、派遣海賊対処行動航空隊の第一次の指揮官として、09(平成21)年、ソマリア沖・アデン湾での海賊対処の任務に就いてきました。
 わが国P-3Cによる広域にわたる正確かつ迅速な識別は、各国の派遣部隊との協力により、ロケット・ランチャーを含めた多数の武器の押収に結びつくなど、海賊事案の未然防止に大きく貢献しています。
 さて、今次派遣部隊の一番の特徴といえば、ジブチ国際空港におけるP-3Cの警護のため、陸自の有する知見が必要であったことから、海外に派遣する部隊としては初めて、陸・海自による統合部隊として編成されたことです。
 また、必要時には空自の空輸隊が編成されることになっています。
 当初は、海外に派遣する初の統合部隊ということもあり、試行錯誤の面もありましたが、任務の重要性を派遣隊員総員が認識し、相互理解を深化させることで克服しました。
 今次派遣は、陸・海・空3自衛隊のそれぞれの長所を活かした統合運用のモデルケースだと思います。
 
ジブチでの福島1佐

 

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