第II部 わが国の防衛政策の基本と防衛力整備 

(解説)新たな駐(分)屯地の開設など

 10(平成22)年3月、高知県香南市に所在する高知駐屯地に新たな施設が整備されるとともに、徳島県板野郡松茂町に北徳島分屯地が開設された。
 両駐(分)屯地は、06(同18)年3月に実施された第2混成団から四国を警備地区とする第14旅団への改編事業の一環として、防衛警備上の観点はもとより、東南海・南海地震などの各種災害への実効的な対処もねらいとして整備された。
 高知駐屯地は、これまで善通寺駐屯地(香川県善通寺市)に所在していた第50普通科連隊の移駐にともない、新たに施設を整備したものである。第50普通科連隊は軽装甲機動車、120mm迫撃砲を装備する第14旅団の基幹部隊である。
 北徳島分屯地は、徳島県に開設された陸上自衛隊初の駐(分)屯地であり、海上自衛隊徳島航空基地内に開設され、第14飛行隊が新編・配置された。同飛行隊は多用途ヘリ、観測ヘリなどを装備する四国初の陸上自衛隊航空部隊である。
 陸上自衛隊は現在、全国に157の駐(分)屯地を配置しているが、新たな分屯地の開設は16年ぶり(94(同6)年の足寄分屯地(北海道足寄郡足寄町))である。
 駐(分)屯地の開設には地域住民などの理解と協力が不可欠であるが、今回の事業の受入れに際しては、高知県および徳島県をはじめとする関係地方自治体や地域住民に対し駐(分)屯地開設に関する説明を行い、積極的な協力・支援を得て実現したものである。新たに配置された部隊は、各種活動を通じて地域住民の安全・安心の確保に努めるとともに、地域社会に貢献し、地域住民との共存を図っていく。
 
高知駐屯地
 
北徳島分屯地

 

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