第II部 わが国の防衛政策の基本と防衛力整備 

(解説)陸上自衛隊「情報科職種」の創設

 これまで、陸上自衛隊には14の職種があり、それぞれの特性を発揮しつつ、各種事態へ柔軟に対処してきた。しかし、近年、防衛分野における情報の重要性が高まってきたことを受け、情報にかかる専門性の高い識能を保持する隊員を育成し、陸上自衛隊の情報機能を強化するため、10(平成22)年3月に新たに情報科職種が創設された。新たな職種の創設は、陸上自衛隊創隊以来、初めてのことである。
 情報科職種の創設により、情報を専門とする人材を安定的かつ継続的に確保するとともに、長期的視野に立った段階的かつ計画的な人材育成が可能となり、情報に係る人的基盤の強化を図ることができると考えている。
 なお、陸上自衛隊の情報科部隊には、中央情報隊、方面情報隊および方面情報処理隊などがあり、情報資料の収集、処理などにあたっている。
【職種き章の由来】
 金色の鳥は、古事記などにおいて約3,000年前、初代天皇となる神武天皇の軍勢を先導し、勝利に導いたとされる金烏(キンウ)、すなわちヤタガラスです。この烏はわが国における情報と戦勝の象徴として多く使われます。
 この烏の持つ三本の足がそれぞれ持っているのは、情報収集を象徴する「望遠鏡」、情報保全と分析のカギを象徴する「鍵」、情報という無形の戦闘力と切れ味の鋭い分析を象徴する「日本刀」です。

* 普通科、機甲科、特科、航空科、施設科、通信科、武器科、需品科、輸送科、化学科、警務科、会計科、衛生科、音楽科
 
10(平成22)年3月30日、防衛省(市ヶ谷)で開催された記念行事の様子(演壇中央は北澤防衛大臣)
 
情報科の職種き章

 

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