第III部 わが国の防衛に関する諸施策 

4 補給支援活動の評価など

 広範な海域において、艦船が燃料や水などの補給のために帰港することなく、継続して必要な活動を行うためには、補給艦から洋上補給を受けることが必要である。海自は、テロ対策海上阻止活動に係る任務に従事している諸外国の軍隊などの艦船に対し洋上補給を行ったが、海上阻止活動のもとで行われるテロリストや麻薬などの海上移動の防止は、アフガニスタン国内のテロリストの移動と物資および資金の調達を含む行動の自由を制限することに一定の効果を有した。
 また、補給艦による洋上補給には、高い操艦技術と能力が求められることに加え、補給活動を行った現場海域は、年間を通じ気温が高く、日中気温は摂氏40度、甲板の温度は摂氏70度、湿度は90パーセントに達することもあるなど、厳しい勤務条件のもとで行われてきた。
 こうした状況のもとで、補給活動を整斉と行うことができたのは、酷暑対策の工夫や福利厚生面の改善がされたこともあるが、活動に従事した隊員が、日頃からの訓練の成果をいかしつつ、強い責任感と厳正な規律を維持しながら真摯(しんし)に任務に従事したことによる。
 この活動を通じ、海自の補給技術はきわめて信頼性の高いものであることが確認され、また、各種業務についてのノウハウ・知見の蓄積・共有が進み、長期間継続して洋上補給を実施する能力を向上させることができた。
 
帰港行事で巡閲する北澤防衛大臣

 

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