2 SACOの概要と現状
95(同7)年に起きた不幸な事件や、これに続く沖縄県知事の駐留軍用地特措法に基づく署名・押印の拒否などを契機として、全国的にも沖縄に関する諸問題に対する世論の関心が高まった。
政府は、沖縄県民の負担を可能な限り軽減し、国民全体で分かち合うべきであるとの考えのもと、沖縄県の将来発展のため、在日米軍施設・区域の整理・統合・縮小に向けて一層の努力を払うとともに、振興策についても全力で取り組むこととした。そして、沖縄県に所在する在日米軍施設・区域にかかわる諸課題を協議する目的で、同年、国と沖縄県との間に「沖縄米軍基地問題協議会」を、また、日米間に「沖縄に関する特別行動委員会」(SACO:Special Action Committee on Okinawa)を設置した。
その後、約1年をかけて集中的な検討が行われ、96(同8)年、いわゆるSACO最終報告が取りまとめられた。
SACO最終報告の内容は、土地の返還(普天間飛行場など計6施設の全部返還、北部訓練場など5施設の一部返還)、訓練や運用の方法の調整(県道104号線越え実弾射撃訓練の本土演習場での分散実施など)、騒音軽減、地位協定の運用改善である。SACO最終報告が実施されることにより返還される土地は、沖縄県に所在する在日米軍施設・区域の面積の約21%(約50平方キロメートル)に相当し、復帰時からSACO最終報告までの間の返還面積約43平方キロメートルを上回るものとなる。
SACO最終報告の関連施設・区域および主な進捗状況については、図表III-2-4-1および図表III-2-4-2のとおりである。
以上のような取組の結果、沖縄在日米軍施設・区域(専用施設)の件数および面積は、図表III-2-4-3のとおり推移している。
参照 資料51