第III部 わが国の防衛に関する諸施策 

4 新型インフルエンザへの対応

 防衛省・自衛隊は、政府の新型インフルエンザ対策行動計画5の改定を踏まえ、09(同21)年3月に新型インフルエンザ対策を的確かつ迅速に行うため、整備すべき態勢、措置の内容などの方針を示すことを目的とした「防衛省新型インフルエンザ対策計画」6を策定した。
 本計画では、基本方針として、1)防衛省・自衛隊が平素から関係機関と密接に連携・協力すること、2)新型インフルエンザが発生した場合においても主たる任務の遂行に万全を期すこと、3)関係機関からの要請に応じ、自衛隊員の安全を確保した上で、新型インフルエンザ対策に関する活動を行うことをあげている。また、具体的な自衛隊の活動の例として、家きん7に対する防疫対策、在外邦人等の輸送、医官などによる検疫(けんえき)支援、救援物資などの輸送、防衛医科大学校病院や自衛隊病院での診断・治療などをあげている。
 
空港で新型インフルエンザの検疫支援をする隊員

 防衛省・自衛隊は、本計画を実効性あるものとするため、具体的な活動要領などの検討を進めている。こうした中、統幕は、09(同21)年8月、新型インフルエンザが発生した場合における各自衛隊の具体的な実施要領を提示し、各活動を迅速に行うことに資するため「自衛隊新型インフルエンザ対策活動要領」を策定した。
 また防衛省は、10(同22)年6月、新型インフルエンザが発生した場合においても機能を維持し必要な業務を継続することができるよう、「防衛省新型インフルエンザ対応業務継続計画」を策定した。
 なお、新型インフルエンザ(A/H1N1)対策として、防衛省・自衛隊は、厚生労働省からの要請に基づき、09(同21)年4月から6月にかけて、防衛医科大学校や自衛隊の医官などのべ約1,260名を、成田、関西および中部の各空港検疫所に派遣し、検疫支援を行った。


 
5)<http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/kettei/090217keikaku.pdf>参照。

 
6)<http://www.mod.go.jp/j/news/2009/03/17b-02.pdf>参照。

 
7)鶏、あひる、うずらなど、家畜として飼養されている鳥。


 

前の項目に戻る     次の項目に進む