第I部 わが国を取り巻く安全保障環境 

3 韓国の防衛力整備

 韓国の軍事力については、陸上戦力は、陸軍22個師団と海兵隊2個師団、合わせて約59万人、海上戦力は、約190隻、約18.1万トン、航空戦力は、空軍・海軍を合わせて、作戦機約500機からなる。
 韓国軍は、北朝鮮の脅威はもちろん、あらゆるスペクトラムの脅威に対応可能な能力と全方位の軍事対応態勢を発展させる10として、近年では、海・空軍を中心として近代化に努めている。海軍は、潜水艦、大型輸送艦、国産駆逐艦などの導入を進めており、08(同20)年12月にはKDX-III(イージスシステム搭載駆逐艦)の1番艦が就役、10(同22)年中には2番艦の就役が予定されており、さらに12(同24)年内の引渡しを目指して3番艦が建造中である。また、10(同22)年2月には、韓国初の機動部隊となる第7機動戦団の創設式が釜山基地で開催された11。空軍は、F-15K戦闘機などの導入を進めているほか、12(同24)年までに早期警戒管制機(AWACS:Airborne Warning and Control System)4機を調達する予定である。さらに、ミサイルの国産化も進めているものとみられている。
 なお、10(同22)年度の国防費は、対前年度比約3.6%増の約29兆5,627億ウォンとなっており、00年(同12)年以降11年連続で増加している。
(図表I-2-2-5 参照)
 
図表I-2-2-5 韓国の国防費の推移


 
10)「2008韓国国防白書」による。

 
11)第7機動戦団の任務は、シーレーンの防衛、北朝鮮に対する抑止、国家の対外政策の支援などとされている。同戦団は、3個機動戦隊で構成され、今回創設された第71機動戦隊(釜山)の他、10(平成22)年8月には第72機動戦隊(鎮海)、14年(同26)年には第73機動戦隊(済州)が創設される予定である。第7機動戦団には、イージス艦1隻、駆逐艦6隻などが所属しており、今後就役予定のイージス艦や駆逐艦も配備される予定である。


 

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