2 国防戦略
米国は今回のQDRにおいて、このような安全保障環境における戦略的優先事項として次の4項目をあげ、その間でリスクと資源のバランスをとる必要があるとしている。
1) 現在の戦争における勝利(Prevail):アフガニスタン及びパキスタン国境地域におけるアルカイダとタリバンとの戦いに勝利することが最大の優先事項である。
2) 紛争の予防(Prevent)と抑止:米国を直接的な攻撃から防衛し、潜在的な敵対者を抑止し、地域の安定を強化するとともに、国際公共財へのアクセスを保証する。そのため、パートナー国の能力構築や米国自身の所要の態勢整備に努め、また、核兵器のない世界が実現されるまでは、米国及び同盟国の利益に適合した安全かつ効果的な核兵器を最低限のレベルで維持し、米国及び同盟国等への攻撃を抑止する。
3) 敵の打破及び多岐にわたる緊急事態での成功に向けた備え(Prepare):抑止に失敗し敵対者が米国の国益を脅かす場合、多岐にわたる事態に対応すべく備える必要がある。
4) 全志願兵制度の維持(Preserve)・強化:現在戦っている戦争に勝利するとともに将来に備えるためには、全志願兵制度を長期にわたって維持する必要がある。