平成21年版 日本の防衛 ダイジェスト 

第II部 わが国の防衛政策の基本と防衛力整備

 わが国は、安全保障における防衛力の重要な役割を認識しつつ、さまざまな分野における努力を尽くし、わが国の安全を確保するとともに、アジア太平洋地域、ひいては世界の平和と安全の達成を図っている。

第1章 わが国の防衛の基本的考え方など

 わが国は、憲法の下、専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国にならないとの基本的理念に従い、日米安全保障体制を堅持するとともに、文民統制を確保し、非核三原則を守りつつ、節度ある防衛力を自主的に整備している。

 宇宙基本法の成立などを踏まえ、防衛省は、政府全体の宇宙開発利用の検討と連携して、新たな安全保障分野における宇宙開発利用の可能性などについて、検討を行っている。
 
宇宙戦略本部第2回会合

 海洋基本法に基づき、安全保障上重要な海洋に関する施策を定めた海洋基本計画が閣議決定された。防衛省は、同計画などを踏まえ、人材育成、装備の整備、共同訓練などに取り組んでいる。
 
わが国関係船舶を護衛する「さざなみ」

 ソマリア沖・アデン湾の海域においては、武装した海賊による事案が多発・急増しており、国際社会にとって緊急の課題となっている。自衛隊は、護衛艦・哨戒機を派遣して、欧州や中東と東アジアを結ぶ重要な海上交通路である同海域で、わが国関係船舶を海賊行為から防護するために必要な行動をとっている。
 
ソマリア沖・アデン湾での海賊対処にあたる海自P3-C航空隊と米、ドイツ、スペインの哨戒機部隊(ジブチ国際空港にて)

第2章 防衛大綱と防衛力整備

 わが国の安全保障環境は、引き続き、大量破壊兵器などの拡散や国際テロなどの新たな脅威や多様な事態が課題であることに加え、国際平和協力活動への積極的な取組への期待がさらに高まっており、今後、このような安全保障環境により適切に対応していくことが必要である。
 
軽装甲機動車からの車上射撃訓練

 防衛大綱においては、平成21年末までに検討の上必要な修正を行うとされていることを踏まえ、政府は、「安全保障と防衛力に関する懇談会」を開催し、わが国の安全保障と防衛力のあり方について幅広い視点から総合的な検討を行っている。
 また、政府としての検討に資するため、「防衛力の在り方検討のための防衛会議」が防衛省に設置され、防衛省改革などと有機的に関係づけながら、検討を進めている。
 
救難飛行艇US-2

 防衛省は、防衛装備品の研究開発、調達、維持管理にかかる経費について、平成18年度と比較して、平成23年度までに15%のコストを縮減することを目標として設定している。
 平成21年度の縮減額は、約2,800億円、約13.9%の縮減率となる見込みである。
 
F-15戦闘機

 

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