第III部 わが国の防衛のための諸施策 

(VOICE)エジプトPKOセンターへ講師として派遣された隊員の声

第7特科連隊第1大隊長 2等陸佐(当時:統合幕僚監部国際協力室) 高橋 洋二(たかはし ようじ)

 国際社会による平和構築のための活動へのわが国の主体的・積極的な取組の一環として、昨年11月、エジプトの「アフリカ紛争解決平和維持訓練カイロ地域センター」で行われた「統合平和維持ミッションのための統合トレーニングプログラム」に、統合幕僚監部運用部からは第22次ゴラン高原派遣輸送隊長であった私が、中央即応集団からはイラク復興業務支援隊員であった榮村2等陸佐が派遣され、自衛隊の国際平和協力活動に関する講義を行いました。
 講義内容は、国際平和協力活動における軍民協力における基本的留意事項を中心に、イラクにおける事例、スマトラなどでの国際緊急援助活動の事例を紹介するとともに、国際平和協力活動に関する自衛隊の教育訓練の体制として中央即応集団の国際活動教育隊の概要についても紹介しました。講義の前は、初めての海外PKOセンターにおける自衛官講師という大役に不安を持っていましたが、現地の教官および参加者の反応は大変好評で、自衛隊の国際平和協力活動への取組の経験や教訓に基づく講義は、欧米諸国とは違うアプローチが含まれており、大いに参考になったとの言葉をいただきました。これにより、アフリカの平和構築に貢献できたことに誇りをおぼえるとともに、わが国の国際平和協力活動への取組が高く評価されていることを再認識しました。
 現地でのPKOの教育訓練分野に貢献できたことは、極めて有意義であり、講師派遣などを通じてアフリカ諸国などにおけるPKOに関する能力構築を図っていくことは、国際平和協力活動におけるわが国の新たな取組として期待できるものだと考えています。今後も、このような機会を通じて、自衛官の立場でわが国の国際貢献をアピールできる機会が増加することに期待するとともに、私自身もチャンスがあれば参加を希望したいと考えています。
 
講習者から質問を受ける高橋2佐

 

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