第III部 わが国の防衛のための諸施策 

(解説)自衛隊病院の中核「新自衛隊中央病院」開院

 本年3月、三宿駐屯地(東京都世田谷区)にある自衛隊中央病院の新病棟が完成し、同年4月に開院した。陸・海・空自の共同機関である自衛隊中央病院は、隊員だけでなく一般の方も受診できる医療機関である。
 新病院の特徴としては、NBC対処や新型インフルエンザ対策にも対応できる除染設備、無菌室および熱傷浴室を完備しており、武力攻撃事態等において生物兵器が使用された場合には、生命に危険を及ぼす感染症に罹患した患者の治療の役割を担う。これらの設備により、地下鉄サリン事件のような化学剤を使ったテロへの対応にも協力することができるようになった。また、海外派遣される自衛隊の医療従事者の教育を行う病院として、国際平和協力活動の一翼を担うものとなる。
 免震構造を採用し阪神・淡路大震災級の地震に対しても強度が保たれており、コージェネレーションシステム(1種類の燃料から同時に2種類のエネルギーを供給すること。熱併給発電ともいう。)による常時自家発電で、省エネルギー対策および災害時の電源供給が行え、また、災害時の防災活動拠点として水、燃料などの備蓄能力を約5日間分保持しており、大規模災害などの危機に強い病院である。
○ 新たに設置した主な施設
 1) CH-47(大型輸送ヘリコプター)の離発着が可能な屋上ヘリポート
  →迅速な患者受け入れが可能
 2) 除染設備、無菌室、熱傷浴室など
  →放射線障害を受けた熱傷患者などの多様な障害に対応可能
 
新自衛隊中央病院

 

前の項目に戻る     次の項目に進む