第II部 わが国の防衛政策の基本と防衛力整備 

(解説)第15旅団の新編

 来年3月、沖縄県所在の第1混成団を廃止して、第15旅団を新編する予定である。多数の離島が広域にわたり点在するという南西諸島の地理的特性を踏まえつつ、ゲリラや特殊部隊による攻撃やNBC攻撃、島嶼部に対する侵略、大規模・特殊災害などの新たな脅威や多様な事態に実効的に対応できる態勢を構築する一環として行うものである。
 第15旅団の新編では、新たな脅威や多様な事態への対応の中心的役割が期待される普通科連隊を新設するとともに、NBC対処能力を向上させるため、化学防護隊が新編される。また、軽装甲機動車・高機動車の導入により機動性の向上を図るとともに、飛行隊の態勢を充実させるなど必要な機能の充実と防衛力の質的な向上を図ることとしており、部隊規模も現在の約1,800名から約2,100名になる。
 このような各種能力の充実・強化により、災害が発生した場合においても、迅速に展開して被災状況を把握し、被災者の救助を行いつつ各種住民支援を行うことが可能となる。第15旅団は、現在の第1混成団に比べて、新たな脅威や多様な事態における高い対処能力を有することとなり、南西諸島における防衛体制を一層強化できるものと考えている。
 
陸上自衛隊による宮古島における緊急患者空輸
 
第15旅団司令部(那覇)

 

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