第II部 わが国の防衛政策の基本と防衛力整備 

2 日米安全保障体制(同盟国との協力)

 日米安保体制は、わが国の安全確保にとって必要不可欠なものであり、また、米国の軍事的プレゼンスは、アジア太平洋地域の平和と安定を維持するために不可欠である。さらには、テロとの闘いなど日米間でグローバルな課題における協力が進んでいることを踏まえ、日米両国の緊密な協力関係は、新たな脅威や多様な事態を予防し、これに対応するための国際的取組を効果的に進める上でも重要な役割を果たしている。
 日米安保体制については、日米安全保障条約(日米安保条約)という約束があれば、それだけで機能するわけではなく、これを実効的なものとするため、平素から不断の努力が欠かせない。このような観点から、防衛大綱においては次の取組を明示している。

(1)日米間の戦略的な対話の実施(戦略目標、役割分担、軍事態勢など)
 防衛大綱において明確にしたわが国の安全保障および防衛力のあり方に基づき、新たな安全保障環境とそのもとにおける戦略目標に関する日米の認識の共通性を高めつつ、日米の役割分担や軍事態勢などの安全保障全般に関する米国との戦略的な対話に主体的に取り組む1。また、この際、米軍の抑止力を維持しつつ、在日米軍施設・区域にかかわる過重な負担軽減に留意する。

(2)日米安保体制強化のための努力
 情報交換、各種運用協力、弾道ミサイル防衛(BMD:Ballistic Missile Defense)に関する協力などの施策を積極的に推進することを通じ、日米安保体制を強化していく。


 
1)大綱で示された考え方に基づきわが国が行った米国との間での協議の内容については、III部2章2節参照


 

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