第I部 わが国を取り巻く安全保障環境 

4 インドネシア

 インドネシアは、東南アジア諸国との連携を重視し、外交の基本的理念として独立かつ能動的な外交を展開するとしている。インドネシア全国民がインドネシアの独立、国家主権、領土保全、国家統一を堅持するとの理念の下、「Military Defense」と「Non Military Defense」それぞれの活動を通じた「総合的防衛(Total Defense)」を推進している。また、軍人による政治・ビジネスへの関与の禁止、軍と警察の分離などの国軍改革も実行中である。
 米国との関係では、東ティモールでのインドネシア軍の活動をめぐって、一時的に軍事交流が停止したが8、米国は、05(同17)年11月にインドネシアに対する武器輸出の再開を決定し、両国間の軍事交流は再開した。昨年2月、ゲイツ米国防長官はインドネシアを訪問し、ユドヨノ大統領およびユウォノ国防大臣と会談し、海賊やテロ対策での協力や軍事協力の強化で合意し、本年1月、インドネシア海軍と米海軍は、ジャワ島で特殊部隊の共同演習を行った。また、同年2月、クリントン米国務長官は、就任後初の海外訪問であるアジア歴訪の中で、インドネシアを訪問し、安全保障協力を含むさまざまな分野における包括的パートナーシップを構築し、二国間関係を一層進展させることでハッサン外相と合意した。


 
8)インドネシア当局による東ティモール独立運動に対する弾圧への措置として、米国は、92(平成4)年に国際軍事教育訓練(IMET:International Military Education and Training)を停止し、95(同7)年に一部制裁措置が解除されたものの、99(同11)年に再び停止されていた。


 

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