第I部 わが国を取り巻く安全保障環境 

2 フィリピン

 フィリピンは、国内の反政府武装勢力によるテロ活動を安全保障上の最大の脅威として認識している。また、04(同16)年以来、PDR(Philippine Defense Reform)と呼ばれる国防改革プログラムに基づき、防衛計画、運用・訓練能力の向上、軍機構改革、軍の近代化などの分野で改革を推進中である。
 フィリピンと米国の関係は歴史的にも深く、従来から密接な軍事協力関係が維持されている3。92(同4)年に駐留米軍が撤退した後も、相互防衛条約および軍事援助条約は維持され、両国間の協力関係は継続している。両国は、ASG(Abu Sayyaf Group)などのテロリスト対策を目的とした大規模な演習である「バリカタン」を00(同12)年以降毎年行っているほか4、「バランスピストン」、「タロンビジョン」などの共同演習を行っている。


 
3)米国は相互防衛条約および軍事援助条約のほか、99(平成11)年に「訪問米軍の地位に関する条約」、02(同14)年には「相互補給支援協定」を締結している。

 
4)「バリカタン」は91(平成3)年から行われているが、95(同7)年から99(同11)年の間はフィリピンの国内情勢により中断し、00(同12)年に再開された。


 

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