第I部 わが国を取り巻く安全保障環境
第1章 国際社会の課題
各国は、国際的な連帯を形成し、アフガニスタンなどでテロとの闘いを継続しているが、依然としてテロは世界各地で発生している。また、大量破壊兵器などの移転・拡散も懸念されており、北朝鮮・イランの核問題などへの取組が続いている。
イラクの治安情勢は依然として厳しいものの、攻撃の発生件数やテロなどによる犠牲者数が減少するなど、改善傾向が見られる。
第2章 外国の国防政策など
米国は、軍事態勢見直しを引き続き推進している。また、イラクとアフガニスタンでの作戦所要にかんがみて、軍の能力拡大と部隊の負担軽減のための陸軍・海兵隊の増員を目指している。
北朝鮮の大量破壊兵器・弾道ミサイル問題は、東アジアおよび国際社会の平和と安定に対する重大な脅威となっている。
中国は、高い国防費の伸びを背景に軍事力のさらなる近代化に努めているが、軍事力の将来像は明確にされておらず、その影響について慎重に分析していく必要がある。また、中国は、国防費の詳細などについて明らかにしておらず、軍事に関する透明性の向上が望まれる。
ロシアは、軍改革を引き続き推進している。また、極東地域のロシア軍の活動は活発化の傾向が見られる。